下町の裏通り
裏路地文化とも言われる下町の文化は助け合いの精神で成り立っている。
東京大空襲で焼け出され壊滅状態となった下町地区は、戦後の高度成長期に大手企業の下請けや孫請け工場が多く、夕食の支度が出来ない共働きの各家庭のためにお惣菜やさんが集まっている。
自分が40歳代に住んでいた台東区小島、鳥越地区「旧三味線掘り」の裏通り「おかず横丁」では、今でも惣菜屋が並び、夕方にもなると焼き魚の匂いと一緒に三味線と小唄が漏れ聞こえていた。
そして還暦を過ぎた今、自分はやはり下町の「谷根千地区」に住んでいる。
こちらは狭い通路に古い住宅が密集しており小さな赤提灯が多い。
現在自治体が緊急時のため道幅を広げる計画をしており住民と争っている
一角だ。
さて、上野から不忍通りを走ってくると動物園を過ぎたあたりの右側の一角が面白い。
道幅2mもない裏通りをくねくね歩くと自慢の風呂屋「黒龍鉱泉」がある。
車道に一切面していないため探すのに苦労するが迷いながらも行く価値がある。
地下からダイレクトに真っ黒な鉱泉が湯船に注ぐ。
15:30開店時はかなり熱いので夕方あたりのほうがよろしいかと...
でも、やはり本物の温泉だけあって効能(店内明記)も素晴らしく体が温まり通常の風呂屋料金。
これは見逃せないぞー!
それでは、また不忍通りに戻り、木造三階建ての串揚げ「はん亭」を右手に...
更にそこから裏通りに入ると石蔵(明治43年建)改装した釜上うどん屋「釜竹」がある。
美味しいからすみを肴に日本酒で一杯、腰のあるうどんで〆ては如何ですか?
昼は多少並ぶかも...
そのまま谷中方面に進み「言問通り」を渡った先はそれこそ小さな赤提灯が沢山点在しています。
はしご酒で谷根千の風情に浸ったあとは言問通りを上り、上り切った辺りを右に入ると東京藝術大学に突き当たります。
大学を過ぎると寛永寺エリアに入って左側を見て歩くと小さな小さな可愛い「鶯谷」の改札(メインの北口じゃないよ)が見えてくる。
改札に入らず一般道に降りる階段を下るとそこは昭和初期の赤提灯街。
映画のセットみたいな一角だった。
JRの鶯谷から日暮里、メトロ千代田線の根津から千駄木に挟まれた一角は谷根千。。
土日は観光客で溢れているが、平日なら外人さん中心でそんなに混んではいない!
是非一度谷根千風情に浸ってみてください。。